2025/11/21
普通帰化が認められるためには、国籍法第5条に規定された要件を全て満たす必要があります。ただし、条文上の要件を満たしていたとしても、実際の審査は法務局の内部運用や担当官の裁量により判断されるため、申請可能かどうかを一概に判断することはできません。
そのため、帰化申請にあたっては、申請者の個別事情を踏まえて、事前に十分な検討が必要となります。
以下では、一般的な普通帰化の要件を①〜⑦に分けて説明します。
引き続き5年以上日本に住所を有していること。
ここでいう「引き続き」とは、過去5年間のうち、
連続90日以上の出国がないこと
年間の累計出国日数が100日を超えないこと
を意味します。
これらを超えて日本を離れた場合、居住の継続性が認められず、在留期間が中断されたものと判断されます。
また、5年間のうち、就労系の在留資格で3年以上継続して働いていること(正社員・契約社員・派遣社員など) も要件に含まれます。
18歳以上であり、かつ本国法においても行為能力を有していること。
日本では成人年齢が18歳ですが、国によって成年年齢は異なります。
そのため、日本と本国の双方で「成人」であることが必要となります。
素行が善良であること。
審査のポイントとしては、
年金・健康保険の適切な加入
税金(所得税・住民税・贈与税など)の確実な納付
交通違反の有無(駐車違反・スピード違反を含む)
前科・犯罪歴の有無
暴力団等との関係の有無
などが確認されます。
素行の審査は、生まれてから現在までの全期間が対象となるため、事実を包み隠さず申告する必要があります。
自己または生計を一にする親族の収入・資産等により、安定した生活を営むことができること。
以前は明確な基準がありませんでしたが、2022年頃から内部運用が厳格化され、
目安としては 世帯年収300万円以上 が「安定した生計」とみなされやすいとされています。
(※ただし法務局の内部基準であり、公表はされていません)
また、同居の扶養家族が多い場合は、必要年収の目安が引き上げられる傾向にあります。
この基準は全国でほぼ統一的に運用されています。
日本国籍を取得することによって、現在の国籍を喪失できること。
日本は二重国籍を認めていないため、
日本国籍を得た際に 本国の国籍を離脱できること が必要となります。
暴力的な手段により日本国政府を破壊する思想・行動がないこと。
具体的には、
暴力による政府転覆を企てたり主張していない
そのような政党・団体を結成したり加入していない
といった点が確認されます。
国籍法に明記された要件ではありませんが、
帰化後に日本人として生活する以上、日常生活に支障のない日本語能力 が求められます。
面接での受け答えは日本語で行われるため、
小学校3〜4年生程度の読解・会話力(JLPTではN3〜N4レベル) が必要とされます。
要件 | 名称 | 書き直し後の内容 |
|---|
1 | 居住要件 | 継続して5年以上、日本に居住していること。 |
2 | 能力要件 | 申請時点で18歳以上であり、かつ本国法においても成年(行為能力者)と認められていること。 |
3 | 素行要件 | 素行が善良であること。〈審査の主な確認事項〉・年金・健康保険の加入状況・税金の納付状況・交通違反歴・前科・犯罪歴・家族の素行・経営者の場合:法令遵守状況 |
4 | 生計要件 | 申請人本人、または同居の親族の収入・資産により、安定した生活を営むことができること。 |
5 | 喪失要件 | 日本は二重国籍を認めていないため、帰化により本国の国籍を離脱できること。 |
6 | 思想要件 | 暴力によって日本国政府を破壊することを企てたり主張したり、またはそのような政党・団体を結成・加入したことがないこと。 |
7 | 日本語能力要件 | 日本で日常生活を送る上で必要な読み書きができる程度の日本語能力を有していること。 |